fc2ブログ

新作!

2022年の新作「鉄瓶うらら0.7ℓ」です。



今回のテーマは「小さい鉄瓶」です。

大きいものをそのまま小さくリサイズすると

注ぎ口やフタ、ツマミが実用的でなくなることがありますし、

それらだけ実用的な大きさにすると全体がアンバランスな醜さになるのは

数多く作ってきた中で感じていました。

なので「このサイズで成立する一体感のある形」を念頭においてデザインしております。



常々鉄瓶の美の要は注ぎ口と鉉にあると考えております。

この注ぎ口も非常に時間をかけて原型を作りました。

袋の張り出しを抑えつつ根本を大きくすることで本体との一体感を、

また出口も狭めずにある程度の太さにして太くも細くも注げるよう作りました。

大きめな注ぎ口はともすれば全体のバランスを崩す可能性もありましたが

この小さいサイズだからこその用と美の整合が取れたと感じております。



注ぎ口は上記の通り太さの面で少し冒険しましたが

鉉は鉄瓶らしく動かないタイプの鉉になっています。

可動式の横に倒れる鉉は外れや緩みへの信頼性に欠くと判断し非可動にしました。

また全体に目立つ部分を作らなかったので鉉も無理のないラインのシンプルな丸ムク鉉になってます。



フタとツマミもよく目につく部分ですので全体の馴染みに留意しつつ実用性、生産性を損なわないよう作りました。

図面ではもっと古風な形のフタでしたが、ツマミがモダンなので急遽「うたかたシリーズ」に似た形に変えました。

その判断は悪くなかったと思うのですが、本来ならそこまで考えた図面を書くべきなのでしょうね。

まだまだ未熟者です。



ちょっと沸かすのにちょうど良い小サイズです。

冬場はもちろんの事、猛暑時の外気と冷房の気温差で

ダルくなった時も身体の中から温める一杯によろしいかと思います。

うららかな春の陽の暖かさをぜひ召し上がりください。



なんてもう商品になったかのように書いてますが

まだ生産体制が整ってなくてですね、

まずは例によって今年の日本民藝館展に出品です。

どうしても!どうしても最速で欲しいんだ!という奇特な方は

館展で3個限定32,000円(税抜)で買えます。…入選すればですけど。

あとは生産体制が整うまでお待ちください。

コメントの投稿

Secre

No title

いつも楽しく拝見してます。
注ぎ口は口が大きかったり、肉厚があるものをみると興覚めします。お湯の出が太く、水を引っ張って底まで濡れてしまうのも好きではありません。その点、うたかたかすみはお湯がきれいに注ぎ出るのがなんとも美しいですね。

Re: 新作!

貴重なご意見ありがとうございます!

本体にばかり気を取られて注ぎ口やツマミが杜撰なモノもありますので、特に一点モノの作品を見る時は注ぎ口を重点的に見ると作者の技術や気配りが見えると考えております。
プロフィール

げん

Author:げん
鉄瓶を作ってます。
南部鉄瓶紅蓮堂web

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR